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不要な土地を国に返せる?相続土地国庫帰属制度とは?

売買売却

2023.06.20 / 最終更新日:2023.06.20

相続した不要な土地を国に返せる制度として、2023年4月27日に施行された「相続土地国庫帰属制度」。相続で土地を手にしたものの、使い道がなく管理が大変という人も多い中で、この制度を利用したいと考える人もいると思います。

そこで今回は、不要な土地を国に返せる「相続土地国庫帰属制度」とは?というテーマで、詳しく解説していきたいと思います。

 

相続土地国庫帰属制度とは?

 

それでは早速、相続土地国庫帰属制度とはどのようなものなのか?という部分から解説していきましょう。相続土地国庫帰属制度とは、正式名称を「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」といい、承認申請を行い審査を通過すると相続した土地の所有権と管理責任を国に引き取ってもらう事が出来る制度の事を指します。

相続土地国庫帰属制度は、相続で取得された土地が管理されずに放置されるのを防ぐ目的で作られ、所有権が明確なうちに国の管理下に置く事で土地の再利用を促し、新たな所有者のもとで活用出来るようにする事が目的となっています。

 

相続土地国庫帰属制度の条件や対象

 

では次に、相続土地国庫帰属制度の条件や対象について解説していきましょう。

 

対象者

相続土地国庫帰属制度の承認申請を行える対象者は、亡くなった人の土地を相続して「土地全体を所有する権利」もしくは「土地の共有持分」を取得した人です。土地の相続人には、亡くなった人の配偶者や子など法定相続人以外にも、遺言書によって財産を譲り受ける「遺贈」で土地を取得した人も含まれます。

また、土地を売買などで取得した人は対象外となりますが、土地を複数の人が共同で所有している場合に限り、共有者の中に相続や遺贈で共有持分を取得した人が含まれているようなケースでは、全ての共有者が共同で申請をする事で相続土地国庫帰属制度を利用する事が可能になります。

 

土地の条件

相続土地国庫帰属制度を利用できる土地の条件としては、その土地に建物がない事など法令によって引き取れない土地の要件に当てはまっていない土地に限ります。

却下される主な土地としては、下記のようなものが挙げられます。

・建物がある土地
・担保権や使用収益権が設定されている土地
・他人の利用が予定されている土地
・特定の有害物質によって土壌汚染されている土地
・境界が明らかではない土地
・所有権の存否や範囲について争いがある土地

 

相続土地国庫帰属制度の申請方法や費用

 

では次に、相続土地国庫帰属制度の申請方法や費用について解説していきたいと思います。

 

申請方法

まず、法務局に申請を行う事から始めます。申請者が相続人である事、土地の要件を満たす事を確認し、法務局に必要書類と審査手数料を納めます。申請する土地が共有地の場合は、共有者全員の同意のもと共同申請を行います。法務局に必要な書類が受理されると、担当官が書類審査を行います。必要に応じて実地調査が行われ、審査の結果が申請者に通知されます。

審査の結果申請が承認されると、10年分の土地管理費に見合う費用を計算して負担金の金額が決められます。その後、申請者に負担金の通知が来るので、通知から30日以内に負担金を納付します。

 

費用

申請する時の費用としては、1筆(登記上の土地の個数の単位)の土地当たり1万4000円の審査手数料がかかります。そして、法務局による審査に通過すると、1筆ごとに20万円程度の負担金が発生します。同じ種目の土地が隣接している場合、負担金の合算の申し出を行う事もでき、2筆以上でも負担金は20万円が基本になります。

 

相続土地国庫帰属制度の注意点

 

それでは最後に、相続土地国庫帰属制度の注意点について解説していきたいと思います。

 

負担金や手数料がかかる

まず1つ目は、負担金や手数料がかかるという事です。先ほども触れましたが、不要な土地を国に帰属する際には負担金と手数料がかかり、基本的には10年分の管理費に相当する金額を支払わなければなりません。また土地の状態によっては、申請要件を満たすために工事などを行う事もあるので、その費用もかかるケースもあります。

通常の土地の売買では、売却すればその土地の価値に見合う代金を手にする事が出来ますが、相続土地国庫帰属制度を利用する際は逆にお金を支払う必要が出てくるので注意しましょう。

 

引き渡しまでに時間や手間がかかる

2つ目は、引き渡しまでに時間や手間がかかるという事です。売却などとは違い、申請をした後に審査が行われ、審査で要件を満たしていなければ是正・再審査などを行うケースもあるので、ある程度の時間や手間がかかります。土地に、担保権などの設定がある場合は、抹消手続きを行うなど事前準備もかなり必要になるという事を覚えておく必要があります。

 

条件を満たさないと申請できない

そして3つ目は、条件を満たさないと申請できないという事です。相続土地国庫帰属制度は、どのような土地でも利用できるわけではなく、いくつか設けられている条件に該当する土地である事が必要です。そのため、土地の要件を事前に確認しておく必要があります。

 

まとめ

 

さて今回は、不要な土地を国に返せる「相続土地国庫帰属制度」とは?というテーマで、詳しく解説してみました。相続したものの使い道がなく、売却ではなかなか買い手がつかないという土地を、条件を満たせば国が引き取ってくれる便利な制度である「相続土地国庫帰属制度」。

土地利用のニーズが低下してきている中、土地が放置されるのを効果的に防ぐ方法として今後さらに需要が高まる制度と言えるでしょう。

 

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