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重要事項説明書に記載されている「造成宅地防災区域」「土砂災害警戒区域」「津波災害警戒区域」とは?
2023.07.24 / 最終更新日:2023.07.24
近年、各地で自然災害の被害が増えていますよね。そのような中で、不動産売買や賃貸などの契約の際の重要事項説明書には、「造成宅地防災区域」「土砂災害警戒区域」「津波災害警戒区域」の記載が義務付けられています。しかし、それぞれの具体的な内容は知らないという人も多いと思います。
そこで今回は、重要事項説明書に記載される「造成宅地防災区域」「土砂災害警戒区域」「津波災害警戒区域」とは?というテーマで、それぞれの内容を詳しく解説していきたいと思います。
重要事項説明書に記載される「災害防止規制」
今回のテーマである「造成宅地防災区域」「土砂災害警戒区域」「津波災害警戒区域」も含め、重要事項説明書には災害防止規制というものが必ず含まれています。
災害防止規制とは、地震や台風・津波・土砂崩れなどの自然災害から住民の命や財産を守るために、各都道府県知事が被害の可能性が高い地域に対して建築物の構造規制などを定めているものを指します。建築予定地などが、自治体が規定している防災区域・警戒区域にある場合は、重要事項説明書に必ずその事を記載して説明する事が定められているのです。
各都道府県知事が定めている防災区域・警戒区域
それでは次に、各都道府県知事が定めている防災区域・警戒区域について解説していきましょう。ここでは、今回のテーマである「造成宅地防災区域」「土砂災害警戒区域」「津波災害警戒区域」の3つについて解説していきます。
造成宅地防災区域
まず1つ目は、造成宅地防災区域です。造成宅地防災区域は、宅地造成等規制法に基づいて指定されており、地震によりがけ崩れや土砂が流出する恐れのある宅地造成工事規制区域外の造成宅地に対して指定した区域です。
この区域内で建築を行う場合は、擁壁の設置や改造・地形や盛土の改良工事などの災害防止措置を講じる努力義務が発生します。造成宅地防災区域は、国土交通省によると下記のように定められています。
①宅地造成に伴う災害で、相当数の居住者等に危害を生ずるものの発生のおそれが大きい一段の造成宅地の区域である
②下記に該当する土地
【谷埋め型】
・盛土の面積が3,000㎡以上で、かつ、盛土をした事によって地下水位が盛土をする前の地盤面の高さを超え、盛土の内部に侵入している宅地
【腹付け型】
・盛土をする前の地山の傾斜が20度以上の急な斜面で、かつ、高さ5m以上の盛土を行った宅地
③都道府県知事などが、関係市町村長に意見を聞いて指定した区域である
上記のような区域を、重要事項説明書の「当該建物が造成宅地防災区域内か否か」の欄に災害が危惧されるエリアかどうかが記載されます。
土砂災害警戒区域
2つ目は、土砂災害警戒区域です。土砂災害警戒区域とは、土砂災害による住民への危険が想定される区域の事を指します。土砂災害防止法に基づいて、各自治体が地形や地質などの調査を行った上で指定しています。
土砂災害警戒区域は、「イエローゾーン」と呼ばれる「土砂災害警戒区域」と、「レッドゾーン」と呼ばれる「土砂災害特別警戒区域」の2種類があり、それぞれ規定されている制限が異なります。
・イエローゾーン:警戒避難体制の整備義務がある
・レッドゾーン:警戒避難体制の整備義務がある、特定開発行為に許可が必要、建築物の構造規制がある、必要に応じ建築物の移転勧告がある
津波災害警戒区域
そして3つ目は、津波災害警戒区域です。津波災害警戒区域とは、津波による河川の氾濫や内水氾濫が起こった際に、住民が避難する避難場所・避難施設などの体制の必要性が高い区域の事を指します。これは、「津波防災地域づくりに関する法律」に基づき定められています。
この、津波災害警戒区域の中でも、特に津波災害によって建築物の損壊や浸水・住民の生命や健康状態に大きな影響を与えると想定される区域を「津波災害特別警戒区域」としており、一定の開発行為や形質変更・用途変更が規制されています。
防災区域・警戒区域の確認方法
では次に、防災区域・警戒区域の確認方法について解説していきましょう。
都道府県や各市区町村のホームページで確認する
新築希望の土地や所有している不動産が位置する区域を管轄している都道府県や各市区町村のホームページで、「○○市 造成宅地防災区域」のような感じで検索すると、該当する「造成宅地防災区域」「土砂災害警戒区域」「津波災害警戒区域」を調べる事が出来ます。また、各市町村ではハザードマップによって危険な地域などが確認出来るようにまとめてあります。
都道府県や各市区町村の役場に問い合わせる
ホームページだけでなく、都道府県や各市区町村の役場に直接問い合わせる事でも、それぞれの防災区域・警戒区域の場所を確認する事が出来ます。
不動産業者に問い合わせる
防災区域・警戒区域に位置する不動産を販売・仲介する不動産会社は、購入者や契約者に対してその場所が防災区域・警戒区域に指定されている事を伝え説明する義務があります。そのため、不動産業者に問い合わせれば、購入希望・契約希望の不動産が位置する場所が、防災区域・警戒区域に指定されているかを確認する事が出来ます。
防災区域・警戒区域は自然災害から命を守るために重要
防災区域・警戒区域は、その場所に住む住民の命を、突然襲ってくる自然災害から守るために非常に重要な役割を担っています。万が一の時に備え、その場所に住む人々はその場所の地形や危険性・避難場所などを把握した上で居住しなければなりません。そのためにも、家を建てる前には必ず重要事項説明書にて説明を聞き、納得した上で契約する事が重要なのです。
まとめ
さて今回は、重要事項説明書に記載されている「造成宅地防災区域」「土砂災害警戒区域」「津波災害警戒区域」とは?というテーマで、それぞれの具体的な内容を解説してみました。
近年、自然災害による被害が多くなっている日本では、居住する場所の危険性を事前に把握しておく事は昔よりもより必要性が高くなっています。防災区域・警戒区域は、様々な方法で確認する事が出来るので、不動産を購入・契約する際は必ず確認するようにしましょう。
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