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2024年4月から相続登記が義務化されたことについて説明します。

売買お金・制度

2024.05.25 / 最終更新日:2024.05.25

2024年4月から、相続登記が義務化されましたが、実際に今までとどのような違いがあるのか、相続登記をしないとどうなるのか分からないという人も多いでしょう。そこで今回は、2024年4月から相続登記が義務化されたことについて詳しく解説していきたいと思います。これから、不動産の相続があるという人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

2024年4月に実施された相続登記の義務化の内容

 

それでは早速、2024年4月に実施された相続登記の義務化の内容について解説していきましょう。

 

不動産所有権のみが対象

相続登記の義務化に関しては、不動産の所有権のみが対象となっています。その他の、地上権・賃借権・抵当権・根抵当権などは、相続登記の義務化の対象外となります。

 

違反すると過料の対象となる

相続登記の義務化に伴い、不動産の所有権を相続した人は法的な責任を負う事になります。相続した不動産について、法務局から催告を受けたにも関わらず正当な理由がなく3年以内に相続登記を申請しなかった場合は、10万円以下の過料の対象となります。遺言によって遺贈された場合も同様ですが、相続登記を3年以内に行えない正当な理由がある場合は、過料の対象から外されます。

例えば、「相続人が多数いた場合、必要な資料の収集や相続人の把握に時間がかかる場合」「遺言の有効性や遺産範囲が争われている場合」「相続登記申請義務者が重病などの事情を抱えている場合」「相続登記申請義務者がDV被害者等であり、生命・心身の危害が及ぶ恐れがある場合」「経済的困窮により登記申請費用を負担できない場合」などが、正当な理由として挙げられます。

ただし、上記の理由に該当していない場合でも、申請義務者の事情を総合的に考慮して具体的な事案に応じて、法務局の登記官が正当な理由の有無を判断します。

 

法改正前の相続物件も対象

相続登記の義務化では、法改正によって新たに導入された規定により、施行日以前に相続した不動産に関しても適応されます。

 

相続登記義務化に関する注意点

 

では次に、相続登記義務化に関する注意点について解説していきたいと思います。

 

登記しないままでは売却できない

まず1つ目は、登記しないままでは売却できないという事が挙げられます。相続登記が行われていない場合や、不動産の名義が被相続人のままの場合は、その不動産を担保にしたり売却する事が出来ません。

そのため、不動産売却前には必ず相続登記を行う必要があります。また、遺産分割協議が成立していない不動産も、個人の判断での売却は出来ないので注意が必要です。

 

相続関係が複雑になってしまう

2つ目は、相続関係が複雑になってしまうという事が挙げられます。例えば、遺産分割協議が行われないまま相続人のうちの1人が亡くなってしまった場合、次の遺産相続が開始されますし、法定相続人がすでに亡くなってしまっているような場合は、代襲相続が発生するなど、相続人の数が増えれば増えるほど権利関係が複雑になってしまうのです。

 

抵当物件として活用できない

3つ目は、抵当物件として活用できないという事が挙げられます。先ほども少し触れましたが、土地や建物に対して融資を受ける場合は、金融機関が担保として不動産の登記簿を必ず確認します。その時に、相続登記が行われておらず正確な所有者が不明だった場合は、その不動産を抵当物件として受け入れてもらえない事があるのです。

 

不動産が差し押さえられる可能性もある

そして4つ目は、不動産が差し押さえられる可能性もあるという事が挙げられます。例えば、借金の返済を滞納しているような相続人がいる場合は、不動産が差し押さえられる可能性があります。

これは、債権者が手続きできる「代位登記」というものによって、債務者が相続した持分を差し押さえされるというものによるものです。そのため、このような場合に相続登記を行う際は、全ての相続人が相続登記もしくは相続放棄の手続きを早めに済ませておく事が大切です。

 

相続登記の流れや費用

 

では次に、相続登記の流れや費用について解説していきましょう。

 

手続きの流れ

手続きの流れとしては、まず相続する不動産を確認し、遺言または遺産分割協議で引き継ぐ人を決めます。そして、相続登記に必要な登記事項証明書に必要事項を記入し、登録免許税の収入印紙を貼り必要書類を集めます。全ての書類が揃ったら、管轄の法務局へ行き申請を行います。

主な必要書類は、下記の通りとなります。

・登記事項証明書
・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
・被相続人の住民票の除票
・相続人全員の戸籍謄本
・遺産分割協議書および相続人全員の印鑑証明書
・相続関係説明図
・固定資産評価証明書
・相続登記申請書

 

費用

相続登記にかかる費用は、まず登録免許税が不動産の固定資産評価額の0.4%で収入印紙は法務局または郵便局で購入します。戸籍謄本1通あたり500円~700円、登記事項証明書は1物件あたり600円、印鑑登録証明書は500円程度で、全体的な費用としては2万円~3万円程度でしょう。

 

遺産分割協議がスムーズに進まない時のポイント

 

それでは最後に、遺産分割協議がスムーズに進まない時のポイントについて解説していきたいと思います。

・相続人申告登記の申出をする
・相続土地国庫帰属制度を利用する

2024年4月1日から、遺産分割協議がまとまらない場合に、相続登記義務を回避できる「相続人申告登記」の制度が導入されました。これにより、相続人は相続登記の義務を履行したものとみなされます。ただし、権利の取得や法定相続分の確定は含まれません。

また、2023年4月27日から施行されている「相続土地国庫帰属法」によって、不要な相続土地を国に渡す事が出来る制度を活用する事も可能です。しかし、担保権が設定されているものや、通行券が確立されている土地、権利争いがある土地などは制度を利用できないので注意しましょう。

 

まとめ

 

さて今回は、2024年4月から相続登記が義務化されたことについて詳しく解説してみました。義務化に伴い、登記せずに放置すると罰則適用の可能性があるので、早めに適切な対応を行う必要があります。これまでは、任意で行っていた相続登記なので、過料の対象になっている事を知らない人も多いかもしれませんが、今回ご紹介した内容を参考に早めに対処するようにしましょう。

 

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