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かぼちゃの馬車事件とは?不動産投資家が学ぶべき教訓を説明します。

不動産投資売買不動産業界

2023.03.31 / 最終更新日:2023.03.31

2018年頃に、社会問題にまで発展し大々的に報道された「かぼちゃの馬車事件」。そして、かぼちゃの馬車事件をはじめ、多くの不正融資事件が発生したのも2018年頃に集中しました。

その後、金融機関の融資姿勢が厳格化され、不動産投資に対してマイナスなイメージが広がる事になりました。今回は、金融機関の融資姿勢の厳格化に繋がったかぼちゃの馬車事件の内容や、不動産投資家が学ぶべき教訓というテーマで、詳しく解説していきたいと思います。

 

かぼちゃの馬車事件とは?

 

それでは早速、かぼちゃの馬車事件について解説していきましょう。かぼちゃの馬車とは、株式会社スマートデイズが運営していた、女性専用シェアハウスのブランド名ですが、当時かぼちゃの馬車はサブリース事業で不動産投資家に対して35年間の家賃収入を保証していました。

しかし、家賃収入を保証する契約を結んだにも関わらず、2017年に不動産投資家へ支払う賃料を減額請求し、2018年頃には経営破綻に陥ってしまいます。その結果、不動産投資家は多額の借金を抱える事態となり、社会問題にまで発展したのがかぼちゃの馬車事件です。

 

かぼちゃの馬車事件の重要ポイント

 

では次に、かぼちゃの馬車事件の重要ポイントについて解説していきましょう。

 

サブリース契約

まず1つ目は、サブリース契約です。サブリース契約とは、賃貸管理方式の1つでサブリース事業者が物件のオーナーから1棟まるごと一括で借り上げて、入居者に転貸する形態の事を指します。かぼちゃの馬車の運営会社であるスマートデイズは、不動産投資家とサブリース契約を結んでおり、これ自体は違法ではありません。

サブリース契約は、物件のオーナーにとって空室リスクや家賃滞納のリスクなどを避けられるメリットがあり、スマートデイズと契約した不動産投資家にとってはほぼ頭金なしで物件のオーナーになる事が出来る魅力的な契約だったと言えます。

しかしその一方で、サブリース契約は収益化が低下し一定期間後に家賃減額を求められる可能性があるというデメリットもあり、かぼちゃの馬車事件ではその部分が顕在化したとも言えるのです。

 

法外なキックバック

2つ目は、法外なキックバックです。スマートデイズは、サブリース事業での収益ではなく、工事の請負会社からのキックバックをコンサルティング費用として受け取っていました。

キックバック自体は違法ではありませんが、当時スマートデイズは通常建築費の2~3%程度がキックバックの相場と言われている中、建築費の50%という法外なキックバックを請求していたのです。

このため、本来ならば安く建てられるはずの物件の建築費が高額になり、結果として物件の所有者である不動産投資家が損をするという仕組みになっていたのです。

 

融資審査の書類改ざん

そして3つ目は、融資審査の書類改ざんです。通常、不動産投資では物件の購入にかかる登記費用や諸経費などは自己資金で調達するというルールがあります。

しかし、かぼちゃの馬車事件ではスマートデイズとスルガ銀行が結託し、個人の投資家たちが簡単に融資を受けられるように、審査書類の改ざんが常態化しており不動産投資家は頭金なしで物件を購入する事が出来るようになっていました。融資の審査に影響する、重要事項説明書や売買契約書なども改ざんしていたとされているのです。

 

不動産投資家への影響とは?

 

では次に、不動産投資家への影響について解説していきたいと思います。

 

不動産相場の下落

1つ目は、不動産相場の下落です。かぼちゃの馬車事件以降、不動産投資家は物件を購入しづらくなり、不動産自体を購入する人が減ったため価格が下落していく事になります。

賃料を維持しながら空室対策を行う事が難しくなり、賃料を下げれば空室リスクは避けられてもローンの返済額との差額分が赤字になるなど、損をする状況に追い込まれる事となりました。

 

融資の審査基準が厳しくなる

2つ目は、融資の審査基準が厳しくなるという事です。スルガ銀行による融資審査書類の改ざんが表面化し、金融機関の融資基準が見直される事になりました。その結果、以前よりも審査の基準が厳しくなり物件を購入する事が出来ない不動産投資家が多くなったのです。

 

不動産投資の有益情報が得られにくくなる

そして3つ目は、不動産投資の有益情報が得られにくくなるという事です。かぼちゃの馬車事件以降、不動産マーケット自体が落ち込み、初めて不動産投資を行う人には有益な情報が流れにくい状況になりました。

不動産業者も、実績のある確実な不動産投資家へ有益な情報を流す傾向が強くなり、新しく不動産投資へ参入する人が情報を得られにくくなりました。

 

不動産投資家が学ぶべき教訓

 

それでは最後に、不動産投資家が学ぶべき教訓について解説していきたいと思います。

 

不動産投資家自身も知識や判断能力を養う必要がある

まず1つ目は、不動産投資家自身も知識や判断能力を養う必要があるという事です。かぼちゃの馬車事件では、個人の投資家が業者に丸投げ状態で運用を任せる形が結果的に大きな損失へと繋がりました。

もちろん、かぼちゃの馬車事件では銀行や業者に問題がありますが、不動産投資を行う際には投資家自身もある程度の知識を持っている必要があります。有利な条件での契約やメリットなど、契約の際に怪しい点にいち早く気づき、リスクを避けて正しい運用を出来るようにするために見極められる知識を養う事が重要です。

 

サブリース契約のメリット・デメリットをしっかり把握する

2つ目は、サブリース契約のメリット・デメリットをしっかり把握するという事です。かぼちゃの馬車事件でのサブリース契約は、家賃収入を35年保証していましたが、サブリース契約自体にもやはりデメリットがあります。

空室リスクを避けられるなどのメリットと共に、賃料の減額請求の可能性などデメリットもしっかり把握し、物件の資産価値を理解できる知識は必要です。

 

自分の目で確かめてから物件を購入する

そして3つ目は、自分の目で確かめてから物件を購入するという事です。かぼちゃの馬車事件では、個人の投資家たちは物件を実際に見る事無く購入していました。

物件を実際に見ていれば、資産価値が賃料に見合っていないなど不審な点に気づけた可能性もあります。そのため、物件を購入する際は、必ず自分の目で確かめてから購入する事が大切です。

 

まとめ

さて今回は、2018年頃に社会問題にまで発展した「かぼちゃの馬車事件」についてや、不動産投資家が学ぶべき教訓というテーマで、詳しく解説してみました。

不動産投資は、正しく運用すれば大きな収益を望めますが、かぼちゃの馬車事件のように安易に好条件の契約を結んでしまうと多額の損害が出てしまう可能性もあります。不動産投資を行う際は、かぼちゃの馬車事件の教訓を活かして行うようにしましょう。

 

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