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ウッドショックとは?原因や見通しを詳しく説明します。
2022.02.27 / 最終更新日:2022.03.07
2021年に、深刻な木材不足による木材価格高騰、いわゆる「ウッドショック」が起きました。海外では、少しずつ落ち着きを取り戻しつつありますが、日本では今現在でも供給減が続いていると言われています。そこで今回は、ウッドショックが起きた原因や今後の見通しについて詳しく解説していきたいと思います。
ウッドショックとは?
それでは早速、ウッドショックとはどのようなものなのかを解説していきましょう。冒頭でも触れましたが、ウッドショックとは2021年に起きた世界的な木材不足による木材価格の高騰の事を指します。不動産市場にも混乱が起きた事から、1970年代に起きたオイルショックにちなんで名づけられたと言われています。
日本は、もともと木材自給率が非常に低く、6割程度を輸入木材に頼っています。そのため、海外で起きたウッドショックの影響を、ダイレクトに受ける形となったのです。
2002年以降、各自治体の取り組みによって、以前よりは木材自給率は上昇傾向にありますが、それでも需要の大半は輸入木材に頼っている状況です。それに加え、日本の林業は人手不足も深刻になっており、ウッドショックによって影響を受けた、木材の自給率の急激な回復はあまり見込めないというのが現状です。
ウッドショックの原因
それでは次に、ウッドショックが起きた原因について解説していきたいと思います。ウッドショックが起きた原因としては、2つの事が挙げられます。
米国でリフォームや住宅購入が増加
まず1つ目は、米国でリフォームや住宅購入が増加した為です。ウッドショックは、新型コロナウイルスが世界的に猛威を振るった事が発端と言われています。
在宅ワークやリモートワークが推奨され、ロックダウンなどで住宅の中で過ごす時間が以前と比べると圧倒的に増えましたよね。このような背景があり、より暮らしやすい環境を整えようとリフォームを行ったり、住宅を購入する動きが外国で増加した事がウッドショックの原因となってしまったのです。
中国での需要が増えた
2つ目は、中国での需要が増えたという事です。中国は、世界一の人口を誇っており、経済成長に伴って産業用の丸太の消費量が増加傾向にあります。しかし、中国国内の生産量は横ばいになっている事から、輸入木材の需要が急増したのです。
産業用丸太の輸入量は、2010年~2019年にかけて約1.7倍増加しており、世界の輸入量の44%を占めるとも言われています。中国は、コロナショックからいち早く回復したので、木材需要も急激に伸びたと考えられます。
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ウッドショックでの影響
では次に、ウッドショックが日本国内に与える影響を解説していきましょう。
木材の供給が遅れる事による工事の遅延
まず1つ目は、木材の供給が遅れる事による工事の遅延です。2021年9月に、国土交通省は中小工務店に対して、ウッドショックの影響で工事に遅れが生じているかという調査を行いました。
そのアンケート結果では、工事が遅れていると回答したのが46%にのぼっている事が分かったのです。このように、半数近い工務店で工事の遅れが発生し、住宅購入者にも影響が出ているというのが現状です。
木材価格の高騰による予算オーバー
そして2つ目は、木材価格の高騰による予算オーバーです。ウッドショックの影響を一番大きく受けたのが、ローコスト住宅や建売住宅を販売している会社です。
ローコスト住宅や建売住宅は、いかに販売価格を抑えるかがカギとなっていますが、その安さの維持は輸入木材に頼ってきました。そのため、ウッドショックによって木材価格が高騰した事によって、仕入れ価格や販売価格が上昇し予算をオーバーしてしまうケースもあるのです。
ウッドショックの今後の見通し
それでは最後に、ウッドショックの今後の見通しについて解説していきたいと思います。これから、住宅購入を考えている人にとっては、ウッドショックが今後いつまで続くのかというのは非常に重要ですよね。現在、米国では木材価格の高騰が少しずつ落ち着きを見せ始めています。
しかし、日本国内では現時点ではいつ収まるかの見通しは立っていないのが現状です。ウッドショックに拍車をかけている原因の一つが、コンテナ不足です。新型コロナウイルスの影響で、物流需要が一気に高まった事により、コンテナ不足が問題となっています。
2021年11月には、国連がコンテナ運賃の高騰が2023年までに世界の輸入価格を10.6%押し上げる可能性があるという報告書を公表しています。そのため、2022年以降も木材価格の高騰は続く可能性が高いと考えられており、住宅購入を検討している人は他の建築資材の値上がりにも敏感になっておく事が重要かもしれません。
まとめ
さて今回は、ウッドショックとは?というテーマで、原因や今後の見通しなども踏まえて解説してみました。木材自給率が低い日本は、6割程度を輸入木材に頼っているため、今後もウッドショックが続くとなると住宅の価格上昇は避けられません。今後、住宅を購入しようと検討している人は、最新の情報をチェックしておくようにしましょう。
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