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賃貸借契約書と重要事項説明書の違いを解説します。

賃貸申込・契約

2021.03.04 / 最終更新日:2022.03.06

賃貸物件を契約する際に、必ず目にする書面が「賃貸借契約書」と「重要事項説明書」です。賃貸借契約書と重要事項説明書は、似たような書面に感じますが、それぞれに特徴や記載内容などが異なり、どちらも重要な役割がある書面です。

そこで今回は、賃貸借契約書と重要事項説明書の違いについて、詳しく解説していきたいと思います。

 

賃貸借契約書とは

 

それでは早速、賃貸借契約書とはどのようなものなのかから解説していきましょう。賃貸借契約書とは、その物件に対する契約の基本情報を盛り込んでいる書類の事です。賃貸借契約書は、宅地建物取引業法第37条の規定に基づいて発行されます。

そのため、別名37条書面とも呼ばれています。賃貸借契約書は、契約物件の借り主と貸主が、それぞれ記名捺印した上で2通発行し、それぞれが1通ずつ保管しておく書類となっています。物件の契約を行う際は、必ず賃貸借契約書を発行しなければならないという義務があり、発行しないと契約が成立しません。

賃貸借契約書には、主に下記の内容が盛り込まれています。

・賃料
・更新料
・禁止事項
・契約の解除
・解約
・特約条項

 

民法改正による賃貸借契約書の変更点

 

では次に、民法改正による賃貸借契約書の変更点をご紹介していきたいと思います。民法改正によって、2020年4月1日以降に個人の連帯保証人を立てる場合は、賃貸借契約書において極度額の設定が必要になりました。

賃貸借契約書は、連帯保証契約もセットになっている事が多くあります。そのため、2020年4月1日以降の賃貸借契約書には、個人の連帯保証人の極度額の欄が新たに設けられることになりました。

民法改正による趣旨は、個人の連帯保証人を守るために改正されたものです。ですので、法人の賃貸保証会社の場合は極度額の設定は不要となっています。

 

重要事項説明書とは

 

それでは次に、重要事項説明書とはどのようなものなのかについて解説していきましょう。重要事項説明書とは、宅地建物取引士が不動産の借り主や買主に対して、物件や条件などに関する重要事項を説明する際に交付する書面の事を指します。

重要事項説明書は、不動産取引において難しい内容を借り主や買主に分かりやすい状態で説明する為に使用され、借り主や買主を守るための書面とも言われています。重要事項説明書の交付は、資格を持った宅地建物取引業者(不動産会社)が必ず行います。

そして、書面に記載されている内容を借り主などと面談した上で口頭で説明します。ただし、賃貸物件に限っては、「IT重要事項説明書」も認められていて、パソコンやテレビの端末を利用した重要事項説明書もあります。

 

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重要事項説明書のみに記載されること

 

では次に、重要事項説明書のみに記載されている事をご紹介していきましょう。

・説明を受ける宅地建物取引士の氏名、登録番号、業務に従事する事務所
・物件の名称、所在地、室番号、床面積、種類及び構造
・登記簿の記載事項
・電気、水道、ガス
・都市ガスかプロパンガスか
・新築の場合は工事完了時の構造等
・設備状況
・土地の形状
・アスベストと耐震についての記載
・契約金について
・敷金、礼金に関する事
・違約金に関する事

上記のような内容が、重要事項説明書のみに記載されている内容となっています。

 

賃貸借契約書と重要事項説明書の具体的な違いとは

 

それでは最後に、賃貸借契約書と重要事項説明書の具体的な違いについて解説していきたいと思います。賃貸借契約書と重要事項説明書の具体的な違いとしては、賃貸借契約書は不動産会社が必ずしも説明すべき書面とはなっていませんが、重要事項説明書は不動産会社が説明すべき書面となっているという点です。

重要事項説明書は、あくまでも不動産会社を通じて物件を借りる際に発行される書面です。そのため契約においては、賃貸借契約書の方が重要な書面とも言えます。

 

まとめ

 

さて今回は、賃貸借契約書と重要事項説明書の違いについて解説してみました。一見、似たような書面のように感じるので、どうして2枚も書面が必要なのか疑問に思っていた人も多かったかもしれません。

しかし、賃貸借契約書は貸主が発行するもので、重要事項説明書は不動産会社が発行するものという明確な違いがあります。また、賃貸借契約書と重要事項説明書では、契約後にその書面を保管する相手も異なります。

そして、重要事項説明書のみに記載される内容もあり、それぞれ記載されているものが異なるので、契約後のトラブルを回避する為には、どちらの書面も重要なものなのです。物件を契約する際は、どちらの書面にもしっかり目を通すようにしましょう。

 

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