土地や家を探している時に、目にする機会の多い「地上権」「借地権」「賃借権」という言葉。それぞれ、どのような権利なのか、メリット・デメリットを詳しく知らないという人は多いのではないでしょうか。

今回は、不動産情報で出てくる事の多い「地上権」「借地権」「賃借権」3つの権利の違いについて、詳しく解説していきたいと思います。

 

地上権とは

 

それでは早速、地上権について解説していきましょう。地上権とは、他人が所有権を有する土地を借りて、その土地を使う権利の一種を指します。

 

地上権の種類

地上権には、「区分地上権」と「法定地上権」の2種類があります。「区分地上権」とは、地上や地下の空間の一定の範囲を目的として設定される地上権の事を指します。

鉄道の高架や地下鉄などに、地上権を設定する場合は、区分地上権を用いる事になります。一定の範囲を目的として設定されるので、地下鉄の場合ですと、「地下何m~何mの空間を使用できる」という権利の事を指します。

「法定地上権」とは、土地の所有者でなくても、土地を利用する事が出来る権利の事を言います。例えば、建物のみを所有している場合、法定地上権が認められないと、建物の下の土地の使用が求められない為、建物を有効活用する事が出来ませんよね。このような事を防ぐために、法定地上権があります。

 

地上権のメリット

建物を所有する人にとって、売買などのたびに土地の所有者の承認を得て、その都度承諾料を支払う事がなく、原則的に自由に譲渡や担保設定まで出来るのが、最大のメリットと言えるでしょう。

 

地上権のデメリット

一方、土地を所有している人からすると、契約で制限しなければ、知らない人が自分の所有する土地に住む可能性があり、この点はデメリットとして挙げられます。

 

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借地権とは

 

それでは次に、借地権について解説していきたいと思います。借地権とは、土地を借りて家を建てる場合に、その土地を借りる権利の事を指します。一般的に土地は、「所有権」を売買するケースがほとんどで、土地を所有する権利自体を売買するので、土地は自分のものになります。

しかし、借地権では借りた土地に家を建てるので、土地は地主のもの、建物は自分のものという感じになるのです。この場合の建物は「借地権付き建物」と呼びます。

 

借地権の種類

借地権の種類には、「旧借地権」と「借地借家法」の2種類があります。さらに「借地借家法」を「普通借地権」と「定期借地権」に分けることが出来ます。

「旧借地権」は、以前からあったもので契約期限は決まっていますが、更新する事で期限を延長して借りる事が出来ます。契約期間は、木造等は存続期間30年、最低期間20年、更新後の期間20年となっています。

鉄筋造・鉄筋コンクリート造は、存続期間60年、最低期間30年、更新後の期間30年となっています。「普通借地権」は、契約期間は決まっていますが、更新することで延長して借りる事ができ、存続期間は構造に関係なく当初30年、合意の上更新なら1回目は20年、以降は10年となっています。

「定期借地権」で最も多い「一般定期借地権」は、存続期間が50年以上で、更新はなく契約終了後に更地にして地主に返還する必要があります。

 

借地権のメリット

借地権のメリットとしては、下記のようなものが挙げられます。

・土地に対する固定資産税、都市計画税がかからない
・所有権と比べて、土地の価格が割安
・期限を延長して借りる事が可能

土地は地主のものなので、土地にかかる税金は支払い義務がありません。また、借地権の場合は、所有権の土地購入費用の6~8割程度で売買される事が多いため割安です。

 

借地権のデメリット

借地権を利用する場合は、毎月地主に地代を支払う必要があります。また、建物の建て替えやリフォームなど、増改築の内容によっては地主の許可が必要になる場合があります。このような点が、借地権のデメリットとして挙げられるでしょう。

 

賃借権とは

 

それでは最後に、賃借権について解説していきたいと思います。賃借権とは、地主と「賃貸借契約」を結ぶ事により、土地を借りる事が出来る権利の事を指します。賃借権は「債権」なので登記手続きは必要なく、その代わりに地主に賃料を支払う義務があります。

また、他人の所有している土地を使うことの出来る権利ですが、土地の所有者の許諾を得ないと、原則的には建て替え、建物の売却は出来ません。日本では、「賃借権」を利用した借地物件が多いのが現状です。

 

まとめ

 

さて今回は、不動産情報で目にする事の多い「地上権」「借地権」「賃借権」3つの権利の違いについて解説してみました。それぞれの権利ごとに特徴があり、メリット・デメリットがあります。どのような目的で土地を利用するかによって、権利の種類が変わってきます。また、権利によって価格も変わってくるので、土地を探す際はぜひ参考にしてみてくださいね。

 

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