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「旧耐震」と「新耐震」の違いとは?安全な物件の見分け方について説明します。

不動産情報

2022.08.23 / 最終更新日:2023.07.18

耐震基準とは、地震動の揺れに対して建物が崩壊・倒壊せずに堪える事の出来る性能を、建築基準法において規定するものですが、日本では、1950年に「旧耐震基準」、1981年に「新耐震基準」が施行されています。この耐震基準は、安全な物件を探す際に、非常に重要になる部分です。

基準を満たさない物件を選んでしまうと、大きな地震の際に耐えることが出来ず、崩壊してしまう危険性もあるからです。そこで今回は、この「旧耐震」と「新耐震」の違いについて、安全な物件の見分け方も併せて解説していきたいと思います。

 

旧耐震とは?

 

それではまず、旧耐震とはどのようなものなのかを解説していきましょう。旧耐震基準は、1950年から施行され1981年5月までの約30年間にわたって運用された耐震基準です。

旧耐震基準は、10年に1度発生すると言われている中規模の地震動(震度5強程度)に対して、家屋が倒壊・崩壊しないというものでした。当時は、大規模な地震動に対する耐震技術の開発も追いついておらず、震度5強以上の大規模な地震動は想定されていなかったのです。

 

新耐震とは?

 

では次に、新耐震について解説していきます。新耐震基準は、1981年6月から施行され、下記のような内容の基準となっています。

・中規模の地震動(震度5強程度)で、家屋がほとんど損傷しない
・大規模の地震動(震度6強~7程度)で、家屋が倒壊・崩壊しないただし多少の損傷は許容

この基準は、現在も引き継がれています。新耐震基準が規定されたのは、1978年に発生した宮城県沖地震による建物の甚大な被害がきっかけでした。マグニチュード7.4(震度5)、建物被害は全壊が1,377棟、半壊が6,123棟、一部損傷が125,370棟にものぼり、この被害を教訓として新耐震基準が導入されたのです。

 

「旧耐震」と「新耐震」の違い

 

では次に、旧耐震と新耐震の明確な違いについて解説していきましょう。

 

耐震強度の違い

まず1つ目は、耐震強度の違いです。旧耐震と新耐震では、地震の規模に対する耐震強度の考え方が異なります。旧耐震基準では、中規模の地震までの耐震強度の考え方しかありませんでしたが、新耐震基準では、構造計算の方法として「許容応力度計算」と「保有水平耐力計算」が用いられるようになったのです。

許容応力度計算とは、建物の安全性を証明する構造計算で、保有水平耐力計算は大地震時に発生する水平力に対して、建築物の柱や梁の曲げ降状、せん断破壊を計算して耐震性を確認します。

 

住宅ローン控除の適用の違い

2つ目は、住宅ローン控除の適用の違いです。住宅ローン控除は、一定の条件を満たす住宅に対して、年末における住宅ローン残債の1%を所得税や住民税から10年間にわたり控除してもらえる制度ですが、築25年超の耐火建築物では耐震基準適合証明書を取得できない事になっています。

しかし、新耐震基準では、1981年6月以降の確認申請承認日で耐火建築物であれば、新耐震基準の建物として認定されやすく、住宅ローン控除に必要な耐震基準適合証明書を取得する事が出来るのです。

 

中古住宅購入時のフラット35の適用の違い

そして3つ目は、中古住宅購入時のフラット35の適用の違いです。中古住宅購入時にフラット35を利用したい場合は、新耐震基準である必要があります。そのため、住宅の確認申請承認日が1981年6月1日以降であることが条件となっていて、旧耐震基準ではフラット35は適用されません。

 

安全な物件の見分け方

 

それでは最後に、安全な物件の見分け方を解説していきたいと思います。耐震基準が安全な物件かどうかを見分けるためには、建物が旧耐震か新耐震かを確認する必要があります。一番分かりやすい確認方法は、確認申請承認日を見る事です。

旧耐震基準の建物の場合は、1981年5月31日までに確認申請承認を受けた事になっていますし、新耐震基準の建物は1981年6月1日以降に確認申請承認を受けた事になっています。しかし、この確認申請承認日というのは、建物が完成した日や表示登記日ではないので注意しましょう。

 

まとめ

 

さて今回は、「旧耐震」と「新耐震」の違いとは?というテーマで、安全な物件の見分け方も併せて解説してみました。旧耐震と新耐震では、地震の規模などに対しての考え方に明確な違いがあるという事が分かりましたね。

現在では、旧耐震基準よりもさらに大規模な地震動に対する新耐震基準が設けられており、それを基準に安全な物件を探せるようになっています。これから物件を探す際は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

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